総合電機メーカー・三菱電機の開発・設計を担う三菱電機エンジニアリング(以下MEE)は、現在稼働している「SAP S/4HANA」のバージョンアップ検討に向けて、システムの改善点などをプロセスマイニングツール「SAP Signavio」で可視化し、業務改善に取り組んでいる。
課題
- 2025年に控える「SAP S/4HANA」のバージョンアップに向けて、現行システムを正しく「評価」する必要があった
- 業務部門を中心に改善ポイントをヒアリングするも、現行業務を前提とした改善要望はあがるものの、SAPを適切に使いこなせているかの評価は難しかった
- ERP導入を終えたばかりのタイミングで、大規模プロジェクトを再度立ち上げるのはハードルが高かった
解決
- SAP Signavioで業務プロセスを可視化し、分析を加えることで現行運用の課題を客観的に評価した
- 富士通独自の分析サービスにより、プロセスマイニングと連動して業務評価や課題抽出を行い、改善に向け整理した
- 各領域毎に簡易アセスメント・詳細分析を実施し、業務部門と協力しながら課題解決策を選定した
効果
- 「Signavio」の多彩な機能やコネクタ、アクセラレーターによって、1カ月という短期間での課題抽出に成功した
- 具体性のある客観的データを用いることで、業務部門の納得も得ながら、根本的な改善ポイントを洗い出せた
- 業務毎の小規模チームを立ち上げることで、現場部門との一体感が生まれ、業務改革を円滑に推進できる体制を構築できた
他社がツールの使い方やプロジェクトの進め方の支援に重きを置いているのに対し、富士通は分析自体をサービスとして提供している点が大きなポイントだった
三菱電機エンジニアリング株式会社
情報システム部 業務システム グループマネージャー
一之瀬 貴宏 氏
三菱電機エンジニアリング株式会社 様 について
生活家電から宇宙開発まで、幅広い分野で活躍する製品・システムの設計開発を手掛けるエンジニアリング企業です。高度な技術力と豊富な経験に基づき、顧客のニーズに応じた製品やサービスを提供しています。近年はデジタル技術を活用した業務改革にも積極的に取り組み、SAP S/4HANA導入による業務効率化や、プロセスマイニングによる業務プロセスの最適化などを推進。高い技術力と革新的な取り組みで、社会の発展に貢献し続けています。
SAPコンバージョンに向けた悩み「そもそも課題はどこにあるのか?」
MEEは2022年にリアルタイムな経営情報の可視化と迅速な意思決定、業務プロセスの標準化・最適化、内部統制・コンプライアンスの強化等を目指し、一部領域においてSAP社の基幹システム「SAP S/4HANA」の稼働を開始。しかし2025年のサポート終了のタイミングで、「ERP導入時に構築した業務フローが適切だったのか、十分に活用できているのか、アドオン開発の内容は適正なのか」といった課題を洗い出し、運用コストの低減を含めたうえで、バージョンアップを検討する必要があったのだ。
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大規模な改善が必要なのかを判断するために「SAP Signavio」の導入を決意
改善ポイントの洗い出しのため情報システム部の一之瀬貴宏氏は、「プロセスマイニング」の手法を活用することにした。「プロセスマイニング」とは、従業員が使用しているシステムやアプリケーションのログを分析し、業務プロセスを可視化することで、現状を把握して業務改善に活用する手法のこと。そしてそのためのツールとしてSAP社が提供する業務プロセス管理ソリューション「SAP Signavio」(以下、Signavio)の導入を決断したのだ。
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多彩な機能やコネクタ、アクセラレーターによって、短期間での課題抽出に成功
通常であればデータ収集から分析、改善案の作成までに多くの工数・時間がかかってしまう。しかし、Signavioを活用することで、Insights WSのPoCでは1カ月間という短い期間で必要な情報を取得することができた。
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一過性でない、社内のライフサイクルとして業務改革を行える組織づくり
現在、販売・購買領域の簡易アセスメント・詳細分析が完了しており、今後は会計領域へと分析範囲を拡大していく予定。そして、これらの分析結果をもとに、業務部門と協力しながら課題解決策を選定し、最適な基幹システムやデジタル基盤の構築を目指している。また、この一連の取り組みを単発のプロジェクトで終わらせるのではなく、継続的に改善プロセスが回るライフサイクルとして定着させるために、仕組みやルール(組織体制も含む)の整備を進めているところだ。
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